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第1回有吉佐和子文学賞 優秀賞 「杜鵑草」原徹(愛媛県伊予郡松前町)
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和歌山市広報広聴課です。
今回も「第1回有吉佐和子文学賞」受賞作品をご紹介させていただきます。
第1回有吉佐和子文学賞 優秀賞 「杜鵑草」杜鵑草は秋の草花である。地味ではあるが、晩夏から初冬まで長期間にわたり、日陰でも咲く生命力の強さゆえに、「秘めた思い」という花言葉を持つ。
5年あまり前の8月末、病のために入院した妻は、娘にわが家の食事の支度を託した。ただ
第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「胸の中でひかるもの」桑原祥恵(東京都足立区)
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第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「胸の中でひかるもの」大学の四年間、わたしは学生寮に入っていた。
門をくぐり敷地に入ると、手前に男子寮が、奥に女子寮がある。東京のはずれの、緑に囲まれた寮だった。
家賃が安く(月額約2,000円)、入寮には保護者の所得制限があったため
第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「私を生かす心の栄養」後藤里奈(東京都杉並区)
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第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「私を生かす心の栄養」忘れられない味がある。
今から約17年前、私は晴れて都内の大学へ進学が決まり、地元岩手から一人上京した。生活費を抑えるため、キャンパス内にある寮に入り、期待と不安のなかで私の大学生活は始まった。
だが悲しいことに
第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「継承の地」松村典子(大阪府大阪市)
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第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「継承の地」「フェアー・イズ・マウント・ワカ?」
(和歌山という山はどこにありますか?)
ビッグ愛の展望ロビーで、遠くの景色を観ていたときに、近づいてきた外国人旅行者に尋ねられた。私は即答できず、
「インターネットで調べてみるので少し
第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「和歌山にて、星を繋ぐ。」武智弘美(兵庫県神戸市)
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第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「和歌山にて、星を繋ぐ。」ほんとうは和歌山に行くはずではなかった。
その日休みが取れたわたしは、神戸から日帰りで行ける街を探していた。最初は北へ向かうつもりだった。ところが数日前に寒波が来て、大雪になった。かわりにどこか暖かい街はないだ
第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「梅騒動」森美恵子(福岡県福岡市)
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第1回有吉佐和子文学賞 佳作 「梅騒動」母が梅干しを漬ける。
漬け続けて、もう何十年にもなる。
毎年コンスタントに漬けていたわけではないけれど、「いかにも自家製」という感じの、けっしておいしくはない梅干しが我が家の定番であった。
ある年、梅の壺を覗き込んだ母が
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