ベストセラー作家・有吉佐和子さんの記念館が和歌山市にできました
ご覧いただきありがとうございます。
和歌山市広報広聴課です。
昨年、和歌山市出身のベストセラー作家・有吉佐和子さんの著作を読んでいると書きまして、一般社団法人日本ペンクラブと連携して、和歌山市が行った、有吉佐和子さんを顕彰するイベントのご紹介をしました。
その後、なかなか読書自体ができていなかったのですが、『恍惚の人』を読みました。
認知症に罹る立花茂造とその家族を通して、高齢化社会の問題を扱う『恍惚の人』。
弁護士事務所で働いて、家事をこなしながら舅・茂造の介護に追われる昭子にも、昭子に介護を任せ、父親と自らの老いを感じる信利にも、介護をする母に協力する息子の敏にも、それぞれに共感できるところがあります。
認知症と介護の問題と扱ってはいるのですが、ユーモラスでほっこりするエピソードも多い本作にはハマりすぎて、ムッチャおもしろいから読んでほしいと、周囲の人におすすめしていました。
令和になった現在にも通じる魅力を放つ有吉佐和子さんの記念館が、令和4年6月5日、「和歌山市塚本治雄基金」を活用して、和歌山市にオープンしました。
有吉佐和子記念館は、和歌山市出身の作家 有吉佐和子さん(1931~1984)が旺盛な創作活動を行い、ベストセラーのすべてを執筆した東京都杉並区の邸宅を、有吉佐和子さんの心の中に流れる青く美しい紀の川のそばに移したものです。
開館式典には、有吉佐和子さんのご息女で大阪芸術大学教授の有吉玉青さんにもお越しいただきました。
『紀ノ川』のフランス語グラフィックノベルは、有吉玉青さんから和歌山市民図書館に寄贈いただいたものを、私立有吉佐和子記念館に展示させていただいています。フランス語のグラフィックノベルとして、和歌山城天守閣から紀の川を眺めるシーンが、どのように表現されているのか、気になりますね!
紀州を舞台にした『紀ノ川』、作品にちなみお庭でも育てていた『芝桜』・『木瓜の花』など、有吉佐和子さんの名作に関する貴重な資料を展示した展示室のほか、茶室や書斎を復元しています。
蹲や水鉢などを配置した庭を眺めながら、ゆっくりランチやお茶を楽しめるカフェスペースも併設されています。
※ラメゾンクロシェット メニュー写真 Ⓒ寺内尉士(てらうちやすし)
和歌山市立有吉佐和子記念館にほど近い、和歌山市立博物館では、企画展「有吉佐和子と和歌山」も実施中です。
また、南海和歌山市駅直結の和歌山市民図書館には、有吉佐和子文庫を常時設けております。
有吉佐和子文庫は、有吉玉青さんから寄贈いただいた蔵書で2005年(平成17年)に開設し、有吉佐和子さんの作品や作品から生まれたものでテーマを決めて、ご紹介しています。
和歌山市にお越しの際は、有吉文学の世界の旅も楽しんでくださいね。