全長1487km!ナショナルサイクルルート「太平洋岸自転車道」を、夏休みの9日間で走破した地方公務員の話 その1
ご覧いただきありがとうございます。
和歌山市広報広聴課です。
令和3年5月31日に、我が国を代表し、世界に誇るサイクリングルートとして「ナショナルサイクルルート」に指定された「太平洋岸自転車道」。
全長1,487kmのこのサイクリングルートの最終地点が和歌山市・加太にあること、ご存知でしたでしょうか。
最終地点の加太には記念写真が撮影できるモニュメントを設置しております。
太平洋岸自転車道には、世界遺産・富士山をはじめ、日本を代表する観光地・景勝地が多数あります。
広報番組「わがまち和歌山」でも紹介させていただいているのですが……
明るく穏やかな大海原を望む自転車道を、心地よい潮風をきって走るのは、さぞ気分がいいだろうと思いますが……
なにせ、1,487kmですからね!!!
和歌山市から東京まで車で行くのも大変だなぁって思ってしまって。
まして、自転車で走るなんて途方もない所業。。。
ちなみに、和歌山市内のルートは、和歌山マリーナシティから和歌浦、雑賀崎など海岸沿いを通り加太まで続く約30km。
……30kmならママチャリでも行けるんですかね???
いやぁ?さすがに、ちょっと無理では???
和歌山市の海沿い、ずっとですよねぇ。。。
と。
自転車にまったく詳しくないワタクシ、
へー……
なんて。
挑戦の「ち」の字を検討するまでもなく過ごしていたら、この夏休みに約1,400km。
市職員が自転車で走ってみたそうです!
しかも、プライベート!!!
夏二人の若者が、太平洋岸自転車道を全線走破しながら、魅力的なサイクルルートの検証を行って、各地での自転車利用環境向上に取り組む公共・民間団体や個人の方々を繋いでいく企画――その名も、「PCR(Pacific Cycling Road:太平洋岸自転車道)を繫いじゃえプロジェクト」。
今回は、このプロジェクトでサブライダーを務めた市職員、通称・ニシバさんにお話を伺いました。
――「太平洋岸自転車道」を実際走ってみようと思った、きっかけはなんですか。
5年前かな。
平成27年度和歌山市の未来につながる「夢のある政策研究」プロジェクトで、職員提案事業として「サイクリングロード」を活用した地域振興について研究していました。
そこから発展して、「サイクリングルート」って行政がいざ道路整備をしても、利用者の声をちゃんと反映していかないといけないし、利用者に地域振興に関わってもらわなければならないので、「民間の組織つくろうぜ」って話が出たんです。
で、和歌山サイクルプロジェクトを立ち上げました。
その活動の第一弾として、マリーナシティでシクロクロスって競技を実施したんですよ。
和歌山マリーナシティを借り切って、遊園地のなかで自転車のレースをしたんですね。
和歌山マリーナシティ内の「ポルトヨーロッパ」ってヨーロッパの街並みを再現しているし、おもしろいやんって話になって。2,000人ぐらい参加者とか観戦者が来てくれて、ものすごく盛り上がったんです。
それから、市役所内でも、自転車活用施策を考える担当になって太平洋岸自転車道の整備と活用に本格的に携わるようになりました。
担当になって、太平洋岸自転車道を活用したいと言っていたからには、ナショナルサイクルルートになった暁には、実際走らないといけないよねと話していたんです。
――そこで、「PCR(Pacific Cycling Road:太平洋岸自転車道)を繫いじゃえプロジェクト」を立ち上げた?
太平洋岸自転車道を走破するにあたり、和歌山県和歌山市中心に活動している和歌山サイクルプロジェクトでは限界がありました。
人との繋がりをもっと広域に広げたかったので、「PCR(Pacific Cycling Road:太平洋岸自転車道)を繫いじゃえプロジェクト」を立ち上げました。
「PCR(Pacific Cycling Road:太平洋岸自転車道)を繫いじゃえプロジェクト」メンバー
●ゴンザさん…和歌山市在住。アマチュアのトラックレースのシリーズチャンピオン。
●ニシバさん…和歌山市職員。任意団体「和歌山サイクルプロジェクト」を立ち上げ官民連携した取組を和歌山市を中心にゴンザさんとともに実施
●野路さん…株式会社Seabird代表取締役。福島県出身。「ITx地域振興x自転車イベント」という新しい切り口で様々な自治体や地域と持続可能な自転車施策を実施中。
●三浦さん…公益社団法人日本交通計画協会企画室室長。個人として、逗子市で地域住民の活動「歩行者と自転車のまちを考える会」に参加。官民協働を通して、徒歩で安心に暮らせるまち、自転車が正しく快適に使えるまち、ひいては過度に自動車に依存しないでくらせるまちの実現を目指した活動をおこなっている。
自分たちの地域で、自転車をどう活用したいか――今回の取組後、僕たちの実績や記録を地域で形にしてもらえるメンバーだと思って、実行委員会をつくりました。
この4人がメインメンバーとなって、毎晩オンラインで話をして、この繋いじゃえプロジェクトをどういうふうに動かしていくか。
どうすれば地域の人や行政を巻き込めるか。
しっかり検討して、地域団体・民間団体・行政に声を掛けさせていただきました。
――そもそも……ニシバさん。なんでそんなに「自転車推し」なんですか?
それは、乗ってて楽しかったからです笑
小学校・中学校で通学なんかで自転車に乗ってて楽しかったんですよね。
でも、ロードバイクとか。
スポーツバイクになった瞬間にめちゃくちゃ高い。
社会人6、7年目ぐらいでようやくお金が出せるようになって初めて、ロードバイク買って乗ったんですけど、めちゃくちゃしんどくて。
「こんなしんどいもの絶対乗りたくない」と思ったんで、それが逆に悔しくて。
もっといっぱい乗ったら楽しくなるのかなと思って、いっぱい乗ってたんですね。
自分で東京まで自転車で行ったりとかして、おもしろいなと思えるようになりました。
紀の川があったり、海があったり、山があったり。
多分、和歌山市にいたから自転車に乗ってみたいと思ったんですよね。
僕、地元が和歌山市じゃないんですよ。
もっと山の中なんで、地元で自転車に乗るとアップダウンがきつくて苦痛でしかない笑
でも、和歌山市は地形的にも自転車乗るのにいいまちだなと。
和歌山市だからこそ、自転車に乗ってみたいなと思って、実際乗ってみたら楽しかった。
で、仕事にも活かせたらいいな、と。
もっともっと楽しめるぞ、と思ったんです。
趣味の自転車を仕事に繋げ、さらにそこから、官民を繋げ。
太平洋岸自転車道の走る6県の地域の人を繋げようと試みたニシバさんは、とてもアクティブ。
自転車のほかにも、マラソンや釣りなど。
主に外遊びが趣味だそうで、和歌山市というアウトドアが楽しめるまちを存分に満喫しているのだなと思いました。
で、すでに長くなっていますが、お話とか。
写真とかがとてももったいないなと思ったので。
「全長1487km!ナショナルサイクルルート「太平洋岸自転車道」を、夏休みの9日間で走破した地方公務員の話」は、その2に繋げます。
次回は、地方公務員が千葉県・銚子市から和歌山県・和歌山市まで。
全長1487kmを走ってみた話です。